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2024.04.22 ワイヤーフレーム

ワイヤーフレームとは?

ウェブサイトやアプリケーションの設計において、ワイヤーフレームは欠かせない存在です。

ワイヤーフレームとは、サイトやアプリの画面レイアウトを簡素な線画で表した設計図のことを指します。

コンテンツの配置や階層構造、ナビゲーションの流れなどを視覚的に表現することができます。

ワイヤーフレームは、デザインの前段階として作成されます。デザインに入る前に、サイトの全体構造や各ページの構成を検討し、ユーザーエクスペリエンス(UX)を最適化することが目的です。

この記事の目次
  • ワイヤーフレームの重要性
  • 作成プロセス
  • 作成ツール
  • 作成時の留意点

1. ワイヤーフレームの重要性

ワイヤーフレームを作成することで、以下のようなメリットがあります。

 

サイトの全体構造を把握できる

ワイヤーフレームでは、サイトマップを基にサイト全体の構造を視覚化します。

 

TOPページから下層ページまでの階層関係や、ページ間のリンク構造を確認することができます。このように全体像を把握することで、ユーザーが迷わずスムーズにナビゲートできるサイト設計が可能になります。

 

 

UIとUXを検討できる

ワイヤーフレームは、UIデザインの下書きとなります。

 

コンテンツの配置やメニューの位置、CTAボタンの設置場所など、ユーザーインターフェイス(UI)の基本的な設計を行います。

 

さらに、ユーザーがサイトを利用する際の操作フローやタスクフローを検討することで、ユーザーエクスペリエンス(UX)の最適化も図れます。

 

 

クライアントやデザイナーとの認識を共有できる

ワイヤーフレームは、簡素な線画ですが、サイトの基本構造を表現しています。

 

クライアントやデザイナーと共有することで、お互いの意図や要件を確認し、認識の違いを解消できます。

 

さらに、複数のワイヤーフレームパターンを提示することで、より良い案を検討することも可能です。

 

 

開発の効率化につながる

ワイヤーフレームを作成することで、工程の効率化が図れます。

 

デザインやコーディングの前に、サイトの全体構造や機能要件を明確にしておくことで、作業の手戻りを防ぎ、スムーズな開発が可能になります。

 

また、ワイヤーフレームを基にプロトタイプを作成し、実際の動作を確認することもできます。

 

 

2. 作成プロセス

ワイヤーフレームの作成には、一般的に以下のようなプロセスが踏まれます。

 

サイトマップの作成

まずは、サイトマップを作成します。サイトマップとは、サイト内の全ページを網羅した構造図のことです。

 

TOPページから下層ページまでの階層関係や、ページ間のリンク構造を表します。サイトの目的や対象ユーザー、提供するコンテンツなどを踏まえて、適切なサイト構造を検討します。

 

 

TOPページのワイヤーフレーム作成

次に、TOPページのワイヤーフレームを作成します。TOPページは、サイトの顔ともいえる重要なページです。

 

ヘッダーやフッター、メインコンテンツ、サイドバーなどの配置を決めます。また、スマートフォン版のレイアウトも想定しておく必要があります。

 

 

下層ページのワイヤーフレーム作成

TOPページのワイヤーフレームを踏まえて、下層ページのワイヤーフレームを作成します。

 

各ページの目的や機能に応じて、適切なレイアウトを検討します。

 

また、TOPページからの階層関係やリンク構造を確認し、ユーザーが迷わずにナビゲートできるよう設計します。

 

 

クライアント・デザイナーとの共有と調整

完成したワイヤーフレームは、クライアントやデザイナーと共有し、フィードバックを得ます。

 

ワイヤーフレームには、意図や補足説明を書き加えることで、より理解を深めることができます。

 

また、複数のワイヤーフレームパターンを提示し、より良い案を検討することも可能です。クライアントやデザイナーとの認識を共有し、必要に応じて修正を重ねます。

 

 

3. 作成ツール

ワイヤーフレームの作成には、さまざまなツールが利用できます。

 

以下に、代表的なツールを紹介します。

 

【描画ソフトウェア】

 ①Adobe XD

 ②Sketch

 ③Figma

 ④InVision

 

これらのツールは、本格的なデザインツールですが、ワイヤーフレーム作成にも適しています。

 

シンプルな線画を描くことができ、プロトタイプ機能も備えているため、動作確認も可能です。

 

 

【ワイヤーフレーム専用ツール】

 ①Balsamiq Wireframes

 ②Moqups

 ③Framer

 ④Axure RP

 

ワイヤーフレーム作成に特化したツールです。簡素なインターフェイスで、手軽にワイヤーフレームを作成できます。

 

テンプレートやコンポーネントライブラリも用意されているため、効率的に作業できます。

 

 

【手描きツール】

 ①紙とペン

 ②ホワイトボード

 ③iPad + Apple Pencil

 

ワイヤーフレームは、手描きでも作成できます。紙とペンを使うことで、アイデアをすばやく可視化できます。

 

ホワイトボードを使えば、チームで議論しながら作業できます。

 

iPadとApple Pencilを使えば、デジタル上で手描きができます。

 

ツールの選択は、プロジェクトの規模や要件、チームの慣れ親しんだ環境などを考慮して決めるとよいでしょう。

 

 

4. 作成時の留意点

ワイヤーフレームを作成する際は、以下の点に留意する必要があります。

 

ユーザー視点を意識する

ワイヤーフレームは、ユーザーエクスペリエンス(UX)の最適化を目的としています。

したがって、ユーザーの視点に立ち、ユーザーがサイトを利用する際の操作フローやタスクフローを検討することが重要です。

 

ユーザーがスムーズにナビゲートでき、必要な情報にアクセスできるレイアウトを心がける必要があります。

 

 

サイトの目的を踏まえる

ワイヤーフレームは、サイトの目的に沿ったものでなければなりません。

例えば、ECサイトであれば商品を分かりやすく展開し、購入までのプロセスをスムーズにする設計が求められます。

 

コーポレートサイトであれば、企業情報や製品情報を効果的に伝えられるレイアウトが必要になります。サイトの目的を十分に理解し、それに沿ったワイヤーフレームを作成することが大切です。

 

 

シンプルさを心がける

ワイヤーフレームは、簡素な線画であるべきです。

 

細かいデザイン要素を入れすぎると、本来の目的から逸れてしまいます。コンテンツの配置やナビゲーションの流れなど、基本的な構造を表現することに集中しましょう。

 

 

モバイル版も想定する

現代では、モバイル端末からのアクセスが増えています。

 

したがって、ワイヤーフレームを作成する際は、スマートフォン版のレイアウトも想定しておく必要があります。

 

PCとモバイルでは、画面サイズやユーザーの操作方法が異なるため、それぞれに適したレイアウトを検討する必要があります。

 

 

チームでの共有と議論を行う

ワイヤーフレームは、クライアントやデザイナー、開発者など、プロジェクトに関わる全員で共有し、議論を重ねることが重要です。

 

それぞれの視点から意見を出し合い、より良いワイヤーフレームを作り上げていくことが大切です。

 

ワイヤーフレームは、サイトやアプリケーションの設計において、非常に重要な役割を果たします。

 

ユーザーエクスペリエンス(UX)の最適化と、効率的な開発プロセスの実現に寄与するツールです。

 

ユーザー視点とサイトの目的を意識しながら、丁寧にワイヤーフレームを作成することが求められます。

 

ワイヤーフレームを活用することで、魅力的でユーザービリティの高いサイトやアプリケーションを構築できるはずです。