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2022.07.14 RFP(提案依頼書)

RFPとは?システム開発を開発会社に依頼する際に準備すべきこと

今の時代ITは、海外のみならず日本でも年々成長を遂げています。

そのため、今までアナログで作業していたことも、ITの成長とともにデジタル技術の向上で我々の生活も豊かになってきているのです。こういったデジタル技術を用いて生活・ビジネスが変化していくことをデジタルトランスフォーメーション(DX)といいます。

そういった中で、企業は業務改善を図ろうと企業は新しいシステムを導入しようと、システム開発会社にシステムを発注するのですが、ここで出てくるのがRFPなのです。

ここでは、そのRFPについて徹底解説します!

この記事の目次
  • RFPとは?
  • RFPにはどんなことを記載するの?
  • RFPを作成する際に気を付けるべきこと
  • RFPを作成する際のポイント
  • RFPを作成するメリット・デメリット

RFPとは?

そもそもRFPとは、提案依頼書のことです。

 

この書類は、システム導入をしたい発注者(企業等)がシステム開発会社に対して提出する書類になります。

 

書類内容としては、発注したい要件だったり、発注企業の現状・課題・課題解決のためのシステムに搭載したい機能などが記載されています。

 

RFPは必要なの?

RFP(提案依頼書)が無くともシステム開発を進める事は可能です。ただし、プロジェクトが失敗する可能性が上がったり、システム開発会社を選定する際の比較が正しく出来ない可能性が上がります。

 

○○システムを作りたい!と開発会社に伝えたとしても、そう思うに至った背景や現状の業務の課題、どの部分をシステム化し、どの部分は手作業で良いのかなどが明らかでない状態で見積もりをもらいプロジェクトを進めると、結局「求めていたものと違う」となったり開発会社側からすれば「そんなものまで必要だと思わなかった。(という理由で追加費用を要求され揉める)」ということになる可能性が高いです。

 

求めたい機能が明確になったとしても、品質やセキュリティにどの程度のものを求めるかも重要です。

 

つまり、RFPは依頼側である企業がシステム開発をする会社に発注する際に、希望を適切に伝えることや、意見の食い違いを起こさないために必要となる書類です。

RFPにはどんなことを記載するの?

RFPを作成しようと思っていても、実際はどんな内容を書いていいか分からないかと思います。実際、RFPは構成や内容に決まりはないです。

 

RFPは、開発側に希望を適切に伝えるための書類になるので、情報を過不足なく伝える必要があるのです。下記のような流れで構成していくと、情報に過不足のないRFPになるかと思います。

 

【概要・全体像】

・背景・現状の課題:システム開発に至った背景や現状の課題を伝えるページ

・ゴール:提案から納品までのスケジュール、予算、品質など、求める目的のページ

・運用予定情報:社内の組織図、システム利用予定人数、保守体制などを伝えるページ

・現行ハード・ソフト情報:現在利用しているサーバーやPC、システムやソフトウェアの 情報を伝えるページ

 

【提案依頼要件】

・提案を依頼したい範囲:システム開発だけを依頼したいのか、システム開発から保守ま で依頼したいのか、など依頼したい範囲を伝えるページ

・提案依頼内容:どんなシステム提案を希望しているか伝えるページ

・機能要件:システムに盛り込んでほしい機能と、不要な機能を伝えるページ

・プロジェクト体制:開発側でプロジェクトに入ってほしい人材やマネジメント方法などを 伝える方法などを伝えるページ

・テスト要件:システムのテストについての要望を伝えるページ

・移行要件:現行システムから新システムへ移行する際の要望を伝えるページ

・教育要件:新システムに移行する際に、システム利用メンバーに教育をしてもらう要望を 伝えるページ

 

【その他】

・資料の貸し出しや貸与物に関する取り決め

・画像の提供に関する取り決め

・契約条件や保守義務などの法務義務

RFPを作成する際に気を付けるべきこと

新しいシステムを導入しようとシステム開発会社に提出するRFPであるが、記載するにあたってどんなことに気を付けるべきなのか。

 

社内の現状・課題をしっかりと把握しなければ、自社にとって有意義なシステム導入にならないので、現状把握が重要視されます。

具体的に何を把握するの?

RFPの作成する際にあたり、システム導入・リプレイス(故障・老化したシステム・ソフトウェア・ハードウェア等を新しいものに取り替えること)するシステムが全社システムの中でどのような位置づけで稼働しているのかを確認しておくことが重要になります。

 

対象システムの導入・リプレイスが他システムへ大きな影響を与える場合は、自社の経営課題やIT戦略を考慮して考える必要があります。

 

そのため、他システムへ与える影響が大きいシステムのRFPを作成する際には、情報システム部門やユーザー部門だけでなく、経営層といった人たちからもインタビューして情報を聞き出す必要があります。

RFPを作成する際のポイント

・システム導入の目的を明確にする

・予算とスケジュールを明確にする

・プロジェクト執行責任者を明確にする

・要求事項を全て網羅する

・誤解を与えかねない曖昧な表現は避ける

 

ここでは、大きく分けてシステム導入の目的・予算とスケジュール、誤解を招く表現は避ける。の3つのポイントが大事です。

 

1つ目のポイントとして、システム導入の目的をはっきりと記載しなければ、自社にとって有意義なシステム導入とならないからです。

 

システム導入の目的を明確にしないで、分かりづらい、遠回しなことを書かれてもシステム開発会社は、何を改善したいのか分からないためです。

 

2つ目は、予算とスケジュールを明確にすることです。

 

システム開発会社も、予算はいくらまでなのか、いつまでに導入しなくてはいけないのか明確にしなければとても困ってしまうからです。

 

予算が分からなければ、システムの規模感やどのくらいのコストを割いていいか分からなく困ってしまいます。

 

それに、納期が分からなければ、急いでシステム開発をするのかそうではないのかなど、これらを明記してある・していないだとシステム開発会社の負担は大きく変わってきます。

 

3つ目は、誤解を与えかねない曖昧な表現は避けることです。

 

RFP作成時には、伝えたい希望などは分かりやすく明記することが大切です。

 

システム開発会社はRFPを元にシステム開発を行います。

なので曖昧な分かりづらい表現をしてしまうと、依頼側とシステム開発会社で食い違いが起こります。

 

これは双方にとってメリットがないので、曖昧な分かりづらい表現は避けるようにするのが大切です。

RFPを作成するメリット・デメリット

RFPを作成するにあたり、メリット・デメリットどういったことがあるのかを見ていきましょう。

 

また、RFPが無い場合は、どういったデメリットが生じるのかも知ることも大切です。

RFPがある場合

【メリット】

・自社が求めるシステム要件をSler(主にクライアントのシステム開発に関わる全ての業務を請け負う企業)、ベンダー(コンピュータ、ソフトウェア、ネットワーク機器などのIT関連製品の販売業者のことを指す)に適切に伝えることが可能。

・Sler、ベンダーを選定する時に、比較すべき項目・基準が明確になる

・自社システムの現状を見直すことができ、又は課題を確認できる。

・自社システムが将来ありたい姿を明確化することができ、社内およびSler、ベンダーと共有できる

 

【デメリット】

・発注前の作業・作成に労力がかかる

・RFPの準備に多様なことがあるので時間がかかってしまう。

RFPが無い場合

【メリット】

・システム開発会社への発注の準備に時間をかけずに済む

・発注までの時間や人手などといった低コストで済む

 

【デメリット】

RFPが無い場合で、発注してしまうとSlerやベンダーのそれぞれがシステム要件を独自に解釈してしまう恐れがあるのです。

 

そのため、異なる視点からシステム提案を受ける可能性が出てきます。こういったことから、システムの比較・選定が難しくなるのです。

 

また、RFPが無いことによって、伝え漏れだったり提案に不足が生じてしまいます。

このRFPが無いデメリットはとても大きく、自社システムの現状を見直す機会を持てず、自社課題を抽出しきれない可能性があるのです。

 

そのため、システムの将来像だったり、あるべき姿が明確にできないままシステム選定を進めてしまう恐れがあるのです。

【関連記事】RFPに記載するべき項目とは?